日本橋かるた
日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会 創立10周年記念事業
日本橋に住んでいる人も、働いている人も、日本橋の歴史・文化を詠み込んだ当委員会オリジナルかるた「日本橋かるた」で、楽しく遊びながらこの土地の奥深さに触れてみよう! この機会にぜひ、日本橋の旧所名跡を詠み込んだ「日本橋かるた」を手に取ってみて下さい。
詠み句
全国38都道府県、年齢は8~92歳まで894名・4000句以上の一般応募者の作品から選定。
例)【い】いつの世も道の起点は日本橋
【ろ】櫓がきしむ浜町河岸から花見船
【は】初鰹初物好きで見栄っ張り
取り札
平成の浮世絵師・六代目歌川国政氏のイラスト
販売場所 ※販売は終了しました
奥野かるた店(千代田区神田神保町2-26)
公式サイト日本橋地域ルネッサンス委員会事務局
(03-3231-2231)
「日本橋かるた」制作の目的
2009年10月、日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会は創立10周年を迎えました。 これを記念する事業のひとつとして「日本橋かるた」を制作致しました。
忘れかけていた日本橋地域の原風景や承継したい歴史、伝統、事柄、人物等をテーマとした「日本橋かるた」により、楽しみながら日本橋地域を学び、明日を担う子供達や地域の皆様に街に対する愛着や誇りを培って頂き、これを通じて地域の活性化に寄与できる活動を展開することを目的とします。
併せて、地域以外の多くの方々にも「日本橋かるた」を通じて、更に日本橋地域を知り、親しんで頂ければと願っております。
「日本橋かるた」詠み句お題目
制作の目的としたテーマを表す〈歴史的な場所〉〈文化・伝統・行事など〉〈歴史的な建造物〉〈歴史的な人物〉〈地域ゆかりの小学校〉〈町名〉などの「お題目」を設定し、これに沿った「詠み句」を一般から募集しました。
〈歴史的な場所〉
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〈文化・伝統、祭り・行事〉
〈歴史上の人物〉
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〈歴史的建造物等〉
〈日本橋の小学校〉
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〈日本橋の町名〉
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「日本橋かるた」イラスト 浮世絵師・六代目歌川国政氏
日本橋かるたの絵札は、日本橋地域らしく「風格」があり、「親しみ」やすく、子供にも「分かりやすい」絵が描け、本地域と繋がりが深い方というような観点から、関係する様々な方々に協力をお願いし、かつて歌川派の絵師が江戸かるたを描いていたということもあり、新進気鋭の浮世絵師、六代目歌川国政さんにデザインしていただきました。
歌川さんとしては、かるたの絵札を描くという、今までとは異なった表現に挑戦して頂くとともに、日本橋かるた実行委員会でも詠み句47句の解説を作成するなど微力ながら協力させていただき、素晴らしい作品が出来上がりました。
1978年、東京都葛飾区生まれ。
2000年、六代目歌川豊國に入門。
その後間もなく六代目が他界した為独学で浮世絵を学び、個展、グループ展等を精力的に開き、制作活動を続けている。 最近の活動は、2006年10月に銀座アートスペースで歌川派展を開催。
2007年夏頃から、写楽を題材にした映画「宮城野」で使用される浮世絵の制作を担当。 2008年2月、銀座ふそうギャラリーで個展を開く。
「日本橋かるた」詠み句と入賞作品
8月5日~9月30日に一般募集をいたしました「日本橋かるた」の詠み句47作品および入賞作品が、7名の選考委員による厳正なる審査の結果、下記のとおり決定いたしました。また、惜しくも入賞作品に選ばれなかった詠み句の中から、各選考委員よりそれぞれ1句、審査員特別賞が選ばれ、11月16日に入賞作品の表彰式が開催されました。
入賞者と選考委員、日本橋かるた実行委員で記念撮影。
上段:日本橋かるた実行委員
下段:入賞者と選考委員
最優秀賞と優秀賞には、本会橋本会長より、賞金と賞状が渡されました。
最優秀賞
「山王と 神田は仲良く 天下分け」
佐藤 裕子さん
祭りが大好きで、日本橋で行われる山王祭りをとても楽しみにしているが、行われるのが一年おきなのでどうしてなのかなと不思議に思っていた。 何年か前に祭りのことが書かれている冊子を読んだ時、江戸時代には山王(日枝神社)と神田(神田明神)のみが江戸城内に入ることができたが、豪華絢爛で祭典の負担もかかることから、一年毎に交互にお祭りを行うことで、天下祭を仲良くわけあうことになったという理由を知った。 そのことがとても印象的で、たまたま「日本橋かるた」の募集を街でみかけたときに、頭に浮かび、この句を詠んだ。
優秀賞
「クールビズ 日本橋へは 浴衣着て」
遠藤 喜子さん
とても和の文化が好きで、お茶もやっていて、和装も好き。10月25日に行われた、日本橋 京橋まつりの着物パレードにも参加した。そういった気持ちから、この句を詠んだ。
審査員特別賞(田中賞)
「ベルリンで 江戸を知らせる 絵巻物」
松岡 喜久治さん
「熈代勝覧」がベルリンで発見されたというニュースを聞いたとき、大変驚いた。時と国を超えて、江戸の文化が紹介されているということについて、大変面白いと思ってこの句を詠んだ。
選考をとおして日本橋かるた選考委員からのコメント
■小澤 弘(江戸東京博物館 都市歴史研究室長・教授)
4000句以上も応募があったこと自体大変すばらしいことだと思うが、日本全国から応募があり、しかも男女比に差があまりなく、年齢も30~70歳代を中心に幅広い方々に参加いただいたことに、まず驚きを覚えた。 日本橋という場所が、日本の中心で、日本文化の起点として全国に認識されているのだと感じた。「日本橋かるた」の取り組みは、日本橋の活性化を図るという意味でふさわしい取り組みである。
現代と過去の繋がりを連想させる句、世界との繋がりを連想させる句が多く、日本橋が日本文化の発信地として世界と繋がっているのだと感じた。そういう点で、それに相応しい句が沢山集まったので、選考に大変苦労した。「江戸・東京」というものを世界に向けて発信する文化財である「日本橋かるた」の選定に参画できたことにたいして嬉しく思う。今後これを機に、ますますの日本橋の発展を祈っている。
■矢田 美英(中央区長)
この度の「日本橋かるた」には、全国から実に4000を超える句が寄せられたと伺いました。ここ日本橋が本当にたくさんの人々に愛されていることにあらためて感銘した次第です。
いずれの句も江戸開府以来、長きにわたって培われてきた歴史・文化・史跡はもとより、季節の風物、現代のまちの風景などから醸し出される日本橋のさまざまな魅力を巧みにうたい込んだ作品ばかりで、私もどれを選ぶべきか大変苦労いたしました。
選ばれた47句が、日本橋の魅力を次世代に伝えるメッセージとして末永くうたい継がれることを心より願っております。
■ねじめ 正一(詩人・作家)
私にとって「かるた」は俳句や川柳と比べて、遠い感じがしていたのですが、「かるた」は俳句や川柳よりももっと覚えやすいというのがポイントです。リズムのよさで体の中に入り込むことです。「い」から「す」のまでに「かるた」に変化があればあるほど「かるた」の幅が出てきます。「かるた」は一首一首の面白さではなく、「い」から「す」までの全体の面白さですね。編集の面白さでもあります。
■上林 武人(月刊「日本橋」発行人)
「いろはかるた」の軽妙さは、日本橋のもっている土地柄にぴったりです。今回のご当地かるたをつうじて、日本橋の魅力をひろく発信できればいいですね。
日本橋かるた大会・小学校
2010年12月24日常盤小学校で贈呈式が催され、その後子供達による「かるた大会」が行われました。
(上:贈呈式。本会橋本会長、工藤かるた実行委員会代表から生徒代表へ。/下:かるた大会)
日本橋かるた大会
「日本橋かるた」は、毎年1月に日本橋の小学校で開催される「日本橋かるた大会」でも使用されています。 「日本橋かるた大会」では、久松、常盤、阪本、日本橋、城東小学校の児童が約60名参加し、日々練習してきた「日本橋かるた」取りをリーグ戦、トーナメント戦で競い合います。
(左:平成26年1月18日に開催された「日本橋かるた」大会の決勝戦)